バドミントンのジュニアや社会人でもたまに見かけるのが、「常に力を入れっぱなしで、グリップを握り込んでしまう人」や「腕や手に力が入って、腕全体を棒のように振ってしまう人」ですが、初心者に多く、バドミントンに限らずテニス・卓球・ゴルフでも同じような方がいらっしゃると思います。
力(りき)むと筋肉が固くなるためミスショットになりがちで、肩や全身に力が入って疲れやすく、テニス肘や肩こりになったり、なによりも正しいフォームになりづらいことから上達の妨げになり、力むと良いことがありません。
しかし、「手の力を抜いて」「軽く握って」と伝えても、なかなか力が抜けず、長年かかっても脱力できない人もいて、上達のスピードアップのためにも、なんとか力を抜きたいと悩んでる方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、「読むだけで肩や手の力が抜ける!?」ゴルフ・テニス・卓球にも通ずる「論理的 脱力法」を、なぜ力むのか「論理的 力むメカニズム」と一緒に解説したいと思います。
力んでしまう方の多くは、「強く打ちたくて、力いっぱいでラケット全体・腕全体で振ってる」方が多いと思います。でもこれって実は「体が誤解しているから起きていること」なんです。この誤解を解くには、日常に使う道具の「持つ場所」と「使う場所」を、それぞれ分けて理解することでうまくいきます。
まずは、わかりやすくホウキを例とってみます。貴方はホウキで掃除する時に「どこを意識」して使いますか?もちろん、ゴミを集めるため「ホウキの先」を意識して掃除しますよね。そして、ホウキが地面につく時だけ、ホウキの先が機能するときだけ自然に手に力が入ると思います。「持つ場所」は意識せず、「使う場所」である「ホウキの先」を意識していると思います。
他にも、包丁の刃や、カナヅチならカナヅチの頭。これらがそれぞれの「使う場所」なんですが、クギや、紙や、野菜など「使う場所」に当たるときだけ力を入れますよね。逆に「持つ場所」はただ持つだけ、使う時は意識していないと思います。
つまり、もともと皆さんは日常の道具の「使う場所」と「持つ場所」を使い分けているんです。しかし、なれないラケットやクラブの場合、その使い分けが曖昧になり、強く素早く動かそうと手元を意識しすぎて、力が入りすぎることが力みの原因だったというわけです。
逆に、これら道具の「持つ場所」を意識し常に力を入れたまま、力んだ状態で使ってみるとどうなるでしょうか。ホウキがぎこちなくなったり、豆腐をフルパワーで切ったり、ペンなら先が折れてしまいます。まさにこれがラケットを力んでいる状態と同じで、そんな時は「使う場所」に意識が向けられていないというわけです。このように「持つ場所」と「使う場所」の使い分けができないと、いつも使っている道具も使えなくなることがわかると思います。
以上が、「論理的 力むメカニズム」です。
では、これを元に、実際にラケットやクラブで力んでしまう時、試合で緊張してしまいそうな時には、こんなイメージでラケットやクラブを使うようにしましょう。
「ラケットの面を「使う場所」と意識して、ホウキ(ラケット面)で軽くはらって、シャトルを掃除する」イメージです。素振りだけでも分かると思いますが、ラケットの当たる場所をホウキの先だと思えば、自然と当たる瞬間だけ力が入ると思います。
ゴルフクラブも同じで、クラブのスイートスポットを長いホウキの先端のイメージで、素振りをしてみてください。このイメージなら、力みがなくなり肩も体も脱力するはずです。このように「日常使っている道具に置き換えて意識する」ことで、体の誤解が解け、日常使っている道具のように、力まずラケットが振れるようになるというわけです。
いかがだったでしょうか、これが今回考案した、「力むメカニズム」と読むだけで脱力できる「力み解消法」です。バドミントンに限らずテニス・ゴルフ・卓球でも、上級者ほど肩の力が抜けて余裕があるように見えますが、この記事で力む人が少なくなれば嬉しいです。
ただ、この脱力法でも力が抜けない方、脱力できない方もいらっしゃると思います。そんな方は、グー握りではないですか?この握り方だと、ラケットが不安定なためもっと力が入る方や、バックハンドが苦手な方が多く、このことは「箸」によくにていて、正しい握り方を覚えることで改善します。
そんな方は、春日アロウズにいらしてください。今回のように、論理的でわかりやすいグリップ改善方法で、フォアハンドのコントロールを良くしつつ、この「力むメカニズム」を応用した、もっと力みが抜ける練習方法などご紹介したいと思います。
春日アロウズ 代表 林田